大分過ぎてしまったが、RAINBOW、BLACK SABBATH、DIO のボーカリストであったロニー・ジェイムズ・ディオが、胃癌のため今年の5月16日にこの世を去った。享年67歳、年齢的にはこのようなことになったとしてもおかしくないのだが、いまだ信じられない。
ディオはそのキャリアの長さと年齢から「へヴィメタルのゴッドファーザー」とも称され、その影響力はかつてないほどだった。自分は世界最高のボーカリストはフレディ・マーキュリーと信じて疑わないが、ディオはそのフレディに匹敵するほどのボーカリストであると言える。また、ボーカリストとしての実力だけでなく、その人柄も素晴らしく、多くの著名なミュージシャンが敬意を払っていた。
昨年も10月にはLoudParkにて衰えの見せない素晴らしいボーカルを披露しており、11月に胃癌にかかっている事を発表しても、自分をはじめ、多くのファンやミュージシャンは「すぐ治して戻ってくるさ」と楽観的に考えていた。今年の4月にも公の場に姿を見せ、「今年の夏のツアーには間に合うだろう」と思っていたのだが、その病状は想像以上に深刻であったようだ。
彼の死はメタルシーンにおいては、単に素晴らしいボーカルが亡くなったという程度のものではない。メタルシーンを支える棟木を失ってしまったと言っても過言ではない。それほどまでに彼の存在は大きい。
今月号の音楽雑誌「Burrn!」には多くのミュージシャン達の追悼の言葉が集められている。また、追悼の言葉だけでなく、ヨーロッパツアー中のKISSは自身のライブでディオの名を連呼し、VAN HALENはディオが在籍時のRAINBOWのカバー曲をネットで公開し、その他、多数のバンドが自身のライブでディオにまつわる名曲を演奏し弔意を表したと紹介されている。
彼の歌声はもう聴けない。HEAVEN AND HELL、BLACK SABBATH、DIOの曲を歌う彼の姿を見ることはできない。そして何より、リッチー・ブラックモアと同じステージに立ってRAINBOWの名曲を歌う、その希望は潰えてしまった。ドラマーのコージー・パウエルが1998年に亡くなって以来、RAINBOWの再結成自体はかなわない事となってしまったが、それでもリッチーと共演してくれるという希望だけはまだ残されてた。しかし、それすらも消えてしまった。もう、虹がかかることはなくなってしまった。
R.I.P, DIO.
せめて、一目でも歌うあなたを見たかった。
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