第1作が発表されてから20年経ち、今なおその関連作品が発表されているゲームは少ないです。しかも、それがリメイク作品でもパロディーでもなく、その世界観を崩さずにゲームとなると限定されてきます。
このR-TYPEは正当な関連作品が今もなお発表されている数少ないゲームの中でも、シューティングゲームということで異彩を放っていると思います(かのグラディウスですらパロディー化したものが主流となりつつありますから)。
R-TYPE FINALは、シューティングゲームとしてのR-TYPEの完結作品として発表されました。完結作品と銘打っただけあって、そのボリュームはすごいです。使用可能な自機の種類は最大101種類(公表では99種類)、ステージ構成もとある条件でいくつか特別ステージに進んだりもします。「徹底的にやりこんでくれ」と言わんばかりです。
ただ、生粋のR-TYPEファン以外にはやりこむのは少々辛いかもしれません。また、シューティングゲームとしても今の主流である弾幕を縫う様に回避していくのではなく、敵の攻撃・出現パターンを覚えていくという「昔ながらの」シューティングですので、その部分もネックになっていると思います。最近の(正確に言えばケイブ・東亜プラン系の)ものとはかなり感覚が違うと思います。当たり判定も非常に大きく、敵の出現もかなり悪辣、まさにヤラレながら覚えていくゲームです。
自分は最近のシューティングゲームにはあまり触れておらず、またR-TYPEシリーズにも本当に久しぶりなので不満点はありません。ただ、前作の⊿(デルタ)に比べると評判は芳しくありませんね。佳作ではあるけれども名作とは言えない、と言ったところでしょうか。
でも、本作はR-TYPEファンのためだけのシューティングといっても過言ではないほどの開発者のこだわりとファンへの感謝に溢れたゲームと言えると思います。全101種類にも及ぶ自機にはすべて解説があり、ステージのサブタイトルもファンにとってはニヤリとさせられるものが多いです。⊿(デルタ)からのファンには隠しステージ3.5は涙の展開ですし、エキストラステージ「どこまでも」の冒頭のモノローグはごく一部の昔からのファンにとっては驚きを隠せません。また、自機のいくつかのタイプも一部のファンなら感涙ものでしょう。アーム型コントロールユニット機や偵察型、さらには人型のものなども自分には懐かしさを感じましたし(ちなみにこれらは1991年にはすでにあったのですよ)。
また、「バイドは26世紀の人類が生み出したもの」という設定や、自機であるR-9シリーズのテストタイプであるR-7の存在などもちゃんと公式HPに載っていまして、本当に開発スタッフがR-TYPEを大切していたんだ、ということも感じられます。商業的な成功にこだわらずに世界観を生かすことに腐心した、今では珍しくなりつつあるゲームとして残していくべきものだと思います。
R・TYPE FINAL PlayStation 2 the Best
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